Keep Moving

バドミントンのメモ

意識・記憶・集中など

前に教えていた選手は持っている技が多かったです。ネット前のフェイントが5種類ぐらい、カットも切り方で5種類ぐらい、レシーブも打ち方を何個も持っていました。

どれもそれなりに切れていて、ここらへんが使えればレシーブするのは難しいだろうと思うぐらいでした。それぐらい練習では切れていました。

しかし、試合でそうした多彩な技をついぞ見たことがなかったです。余裕がある試合ならたまにやっていましたが、全力の試合だと1種類が大体でたまに2種類ぐらいでした。

ここから言えることは技術を持っていることと、使えることは致命的に違うということです。

練習では技術を発揮できても、試合ではそれを思い出して、適切なタイミングを選んで、とっさに出さないといけません。

その選手にどうしてか聞いたことがないのでもう答えはわかりませんが、おそらく試合に集中すると技が記憶から消えているんじゃないかなという風に思います。

普通、練習をするときにどうやって技術を思い出すかという練習をするでしょうか? あるいは技術を選ぶ練習はどうでしょうか?

そういう意味で練習では技術が正しく動作するか以上に、正しく自分の持っている技術を使い切っているかどうかを検証しないといけないことになります。

自分の感覚で言うと、意識できるポイントというのは1度に多くて3つ、大抵2つぐらいです。

姿勢が整っていて、無意識に動作ができるレベルなら、ポジショニングだったり、打ち方だったり、パートナーの動き方を追えます。コート全体に意識が通る感覚です。

逆に技術が崩れていれば、発想が偏って、いつもと同じプレーになりがちです。

なので、技術を正しく選ぶためにはそれ以外のことにどれだけ意識を持っていかれないかというのが重要になるかと思います。つまり、ある程度は形やルールを決めておいて、何を使うかに意識を持っていくこと。

その状態で本当に自由に技術を使えるかというとまだ工夫が必要で、例えば技に名前を付けたり、こう来たらこうというルールを決めたり、空間をきれいに割って考えたりします。

そうすると思い出しやすくなるので、とっさに多彩な技が使いやすくなります。

練習は技術を確実に動作できて半分、そこから思い出して使いこなしてやっと完成というところで、練習を考えてみると便利ではないかなと思います。