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バドミントンのメモ

より小さく、より大きな空間

バドミントンにおける空間は大別して大きな空間と小さな空間があると考えています。

大きな空間はコートそのもので、相手のコートも含めた全体の空間です。一方で小さな空間は自分を中心とした可動範囲の空間を指します。

人間は意識的であれ、無意識的であれ、認識していない空間に対して反応することができません。

そのため、大きな空間と小さな空間の両面で正しく空間を認識することが始まりです。

自分の体認ではまず、自分を中心とした小さな空間の精度を上げる必要があると感じます。

上下、前後、左右、回旋の動作ができるかどうか、上と下が繋がっているかどうかを確認し、どこの空間に対して一分の隙がないところまで準備します。つまり、体の近くのどこにシャトルが来ても、自由に反応でき、力を自由に乗せられるということです。

小さな空間がある程度までできたら、今度は外の空間を広げます。コートまで広がるのは結果であり、最初からコートを正しく意識できるわけではありません。

正しく認識すれば自分の意識の及ぶところ、及ばないところがあり、小さな空間を運用して、その範囲を広げることでコートの可能性に近づけていきます。

上記は一旦静止状態の空間について述べましたが、実際にはバドミントンは時間的な運動で、刻々と変わる中で意識も絶えず更新しなければなりません。

動いた時に小さな空間、大きな空間いずれも崩れやすいため、絶えず意識がどうなっているかを確認しなければなりません。

主に動いた時に空間は一方的になりやすい性質があります。右に行けば右の意識が濃くなり、前に行けば前の意識が強くなり、大きく動けば小さな空間が疎かになりやすいです。

そのため、実質的には右に行く時に左を意識し、大きく動きながら小さい意識を忘れないという矛盾の運用が大事になります。

また、バドミントンは利き手の意識が自然に濃くなりますが、実際は脚で動き、左手でバランスを取る必要があり、利き手に偏れば意識の空間も偏ってしまうでしょう。

結論として、バドミントンには大きな空間と小さな空間があり、前者はより大きく、後者はより小さくしていく必要があります。大きければ動ける範囲が広くなり、小さければより精微な動きが可能になります。

そのためには矛盾を利用して常にバランスをとり、意識を崩さないようにします。

空間は角度、広さなどの三次元的なものもありますが、自分の空間に入れば、強弱、変化、連続性、フェイントなどが自由である必要があり、物理的な空間だけでなく、その中でどれだけ能力を発揮できるかという質の問題もあります。

文字量の関係から、後者について今回は論述しませんが、空間の意識をどれだけ精緻に鍛えられるかが一つのポイントだと感じます。