Keep Moving

バドミントンのメモ

考えさせる段階

 前に書いた「考えさせる指導」について、思い当たることがもう少しあったなと思いました。

 試合後にアドバイスをしたときに、「2ゲーム目の中盤くらいにクロスカットで点を入れたよね」みたいに聞いた時に上手な選手は「あのラリーのことか」と納得してくれます。

 確かストレートクリアで押した後に、少し溜めてフェイク気味に打ったんだよね、という相槌までくれます。つまり、ラリーが決まった状況まで明確に記憶しています。

 逆に高校生あたりに教えているときは、「え?そんなラリーありましたっけ」と返されます。運が良ければ、そういえばあそこらへんはクロスカットをたくさん打っていたかもしれません、と答えてもらえます。

 後者の回答をくれるような選手にいきなり「もっと自分で考えなさい」と言って意味があるのでしょうか。まずは自分を正しく認識する、そういう練習がなければ、考えようがないのではないでしょうか。

 また、考えることと動きが両立しない選手がいます。自分もそこまでですが、打つ瞬間に空いているコースを認識してそこに打つことくらいはできます。でも、最初の段階だと動きながら、打ちやすいコースにしか打てないという選手も多いです。

 とするならば、やはり考えさせる指導をしたいのならば、その下地を作る必要性があるのではないかというのが今の感覚です。

 あるいは考えさせる指導は指導者が口を挟まずに任せるという風に言われましたが、対話的に考えさせるという手もあるわけで、やっぱり黙って放置するというのは怠慢ではないかという気持ちがぬぐえません。

 ただ、トップの指導者に聞いたところ、「本当にセンスのいい選手はコートが指導者よりも見えているから、触る必要はない。いざとなった時に引き締めるだけでいい」と言っていました。その段階までいけば、どうなのかなとは思います。