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バドミントンのメモ

デザイン

勝つためには戦略・戦術であったり、ポジショニングであったり、技術であったりをデザインする必要があると思います。

デザインという言葉がピンとこないのであれば、組み立てるというのでもいいでしょう。

では、デザインってそもそも何を指すのでしょうか。

デザインの定義は色々あって例えば、「様々なものの関係性を定義して、問題に対する回答を形として提示する」というものがあります。

戦術で言うと、使えるストロークであったり、ポジショニングであったり、体力全般であったり、そういうものを組み合わせながら、やりたいことを達成しようとします。

ストロークの順番を組み替えたり、あるストロークを印象づけたり、ポジショニングをあるタイミングからずらしてみたりそういうことをやるのがデザインです。

言い換えれば、持っている手札を使いながら、それが有効に働くように機能づけることがデザインです。

この定義は関係性、問題、回答というキーワードがあって、面白い定義です。暗に問題を定義し、それに対する(おそらく)論理的な思考を展開し、モノを組み合わせるという3つの順序が含まれているからです。

逆に言うと、問題を正しく定義しない、回答を提示しない、モノを組み合わせない、のいずれかに該当するものはデザインとは言えないのでしょう。

問題は「勝つことなのか」「格好良く勝つことなのか」「負けてもいいから自分のスタイルを貫くことなのか」、そういう定義から始まるのがデザインです。

ストロークであれば、「ミスしないための打ち方」「相手をだます打ち方」「速度を上げる打ち方」ということになるでしょう。

これも十分面白いのですが、デザインは「優先順位を決めて、それに従うこと」でもあります。いいかえれば、何を重視して、何を捨てるかを決めるかがデザインです。

時間が10あるとして、どれだけフットワーク、ストローク、戦術、メンタル、体力に分配するべきか。

こういう仮定の下ですべてに2を振るのか、それとも特定のところに3、4を振ってみるのか、そういう判断がデザインです。

仮に時間が無限にあるとすれば、全部やればいいのですけど、そうではないのでデザインが必要なわけです。

戦術もそうで、すべてのストロークを均等に打つのは面白い考えではありますが、相手の印象をコントロールできません。スマッシュを連打して、ドロップのように偏っているほうが効果的です。

そういう優先順位をどう決めるかという話ですが、先の話に戻って自分が決めた問題によります。

ある大会で勝つというのが目標だとしたら、今持っている能力から逆算して最適なものを選びますし、スマッシュが好きでスマッシュで勝ちたいというなら、スマッシュを活かすようにポジショニングだったり、他のストロークを配置していきます。

というところでまとめると気持ちよく終われるのですが、人によってはデザインは即興的なものだと見る人もいます。

世の中の状況は刻々と変わっているので、それに対して現時点での回答を提示しつつ、常に調整しながら回答を続けるという発想です。

考えてみれば、試合なんてずっと状況が変わっていて、最初のデザイン通りに行くことはないわけですから、当たり前といえば当たり前です。

これらを踏まえると、デザインは

  • 問題を定義し、様々なものの関係性を操作することでそれに対する回答を提示する試み
  • 優先順位を決めて、強調するものとそうでないものをはっきり決める営み
  • 変動する環境の中で、現時点での最適な点を見つける行為

という原則があると言えます。

色々書いては来たんですけど、大事なことをまとめれば今の状況でよい結果を出すには何を使って、何を強調して、何を捨てるかということだと思っています。

観察すること、決断すること、それらをきっちり考えるのを繰り返していれば、いいデザインでできるのではないでしょうか。